定年女子活

いよいよ夢見た定年がすぐそこに。

美しいひと 高峰秀子

還暦(もう過ぎた)と定年(これから)の自分へのお祝い、何にしようかなと考えているうちに、パールがいいなあと思い始めました。

ちょうど西武百貨店の九州物産展でパールを見る機会があり、大いに心奪われたのですが、
待てよ、ここはやはりミキモトパールを拝んでから決めよう、ということで、銀座4丁目のミキモト本店さんに行ってきました。


もうすぐ産休に入るという店員さんに、パールについてあれこれ教えていただき、実際に着けてもみて、改めてパールの美しさにうっとり。
一所懸命に身を太らせようとする、貝のいじらしさも感じました。
珠の色味も、当初考えていたピンク寄りのものより、黄味が強い方が肌に馴染むかなあ、もうちょっと考えてまた来ますね、と挨拶したところ、7階で高峰秀子さんの展示をしているのでぜひどうぞ、と言われ、立ち寄りました。


お恥ずかしい話、高峰秀子さんと高峰三枝子さんを混同しているぐらい、よく知らなかったのです。
フルムーンのかた? と一瞬思ってしまった。
が、7階の展示を見ているうちに、ぐいぐいと引き込まれました。

名エッセイストとして賞まで獲られたそうですが、子役としてデビューしたために読み書きがほとんどできず、ほぼ独学で一文字一文字覚えたとか。
潔く、ユーモアのにじむ男前の文章で、めちゃめちゃ名文です。
飾られている愛用の品々にも、審美眼の高さを感じます。

気づけば夢中になって、広げてある原稿を読み、写真を眺めていたのでした。
何よりも、人に対する距離と夫の松山善三に対する愛について考えさせられました。


というわけで今、ちくま文庫の『高峰秀子のベストエッセイ』を読んでいます。
美しいひとに出会ってしまった。

映画も観てみよう。
当分は楽しめそうです。